2025/05/15

Taiwan Today

経済

カニ資源の利用の持続可能性を守っていこう

2013/10/25
台湾北部・新北市が売り込む「萬里カニ」。(新北市政府サイトより)
カニ類は人類が必要とするたんぱく源である他、沿海と近海の小型漁業を支える経済的に重要な資源でもある。カニ類資源の量的変化を避けるため、その保護には早期に取り組みたい。 台湾の沿海と近海におけるカニ類は10メートルから100メートルの比較的浅い陸棚の砂あるいは泥底に生息しており、毎年9月から11月にかけてが最盛期となる。北部の海域と離島・澎湖の海域が重要な漁場で、現在、カニ漁の主な海域は、南部の高雄市、台南市、中南部の嘉義県、離島の澎湖県、北部の新北市、基隆市、中部の台中市となっている。その中でも新北市、澎湖県、高雄市が特に多い。漁は引き網、刺し網、かご漁業などの技法が主流。 カニ類の資源保護のため行政院農業委員会(農水省に相当)は、「沿海近海における漁船のカニ漁管制措置」を定める方針で、毎年5月1日から9月30日までは、「開花蟹」(受精卵を体の外に抱えているメスのカニ)の捕獲を禁じる考え。また、捕獲が禁じられているカニを誤って捕まえた場合は、生きているか死んでいるかにかかわらず海中に戻し、持ち帰ることは許されない。 行政院農業委員会漁業署は、カニ漁で使用される三種類の主な漁法では「開花蟹」を捕獲する可能性が十分にあり、種の補充率(recruitment)の低下を招くと懸念。調査の結果、台湾のカニ類は年間を通じて「開花蟹」がいることが分かったが、種類と海域によって卵を抱えることの最も多い時期に若干の違いがあることが判明した。このため、漁業者の経済的な利益も考えた上で、沿海と近海での漁船に対して、5月から9月まで、「開花蟹」の捕獲を禁じることにする方針。

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